診療案内

整形外科

 整形外科とは、脊椎の病気、四肢や関節の外傷や病気・怪我・リハビリテーション・骨粗鬆症、を中心とした診療科目です。
 特に、疼痛やしびれで、日常生活に障害のある方は、悩み苦しみ来院されます。適切な診断を行い、治療方針を決定しないといけないのですが。多くの方は、自分が大変な病気ではないかと心配されています。しかし、実は、器質的に異常があり、手術や特殊な治療が必要な方は少数です。だから、病名を伝えるだけではなく、病態を説明して、治療手段を理解してもらい、お互いに協力しあいながら治療目標に向かうことが大切と考えています。「Shared decision making (SDM) 」。もちろん、特殊な治療を専門的な医療機関で受ける必要のある場合は、連携している医療機関や大学病院などに診てもらっています。その場合もわかりやすい言葉で説明するように心がけています。


関節リウマチ

 関節リウマチは、関節や関節軟骨を攻撃する自己抗体が病気の原因です。症状は、手のこわばり、朝のこわばり、歯ブラシが使いにくい、ペットボトルが開けにくい、関節に痛みや腫れがある、体がだるいなどが当てはまります。従来は比較的若い女性が多く罹患していましたが、最近は、高齢発症の方が増えています。自然経過で治癒することはまずありません。治療に有効な薬剤が臨床応用されて20年以上たち、関節リウマチの医療機関は有効な治療手段を多く持っています。悩むならば早期の受診をお勧めします。
 治療は、免疫調節や免疫抑制を目的とした従来型抗リウマチ薬の投与を早期より行い、効果不十分な場合は、炎症を起こすサイトカインという物質をコントロールする生物学的製剤や分子標的薬を使うことになります。補助的に症状の強いケースでは消炎鎮痛剤や糖質コルチコイド(ステロイド)を使うことはありますが、病気を治す効果はなく、漫然と長期使用すると体に害を及ぼすとされています。
 合併症として、関節リウマチの病態独自のものや薬剤性のものがあり、適切な全身精査、血液検査や画像検査によるモニタリングが必要とされています。そして、リウマチの病態は比較的早期に進行して、不可逆的な変性を関節だけではなく全身の臓器に起こすので、早期しんだん、早期治療、早期完解を治療目標にすべきとされています。


運動器リハビリテーション

 運動器の疾患は仕事や日常生活の動作、スポーツ動作を困難にし、私たちの生活の質を低下させる大きな一因となります。整形外科を受診する方の疼痛の原因は、意外と姿勢や習慣によるものが多いのですが、自分自身ではなかなか矯正できません。スポーツ障害の原因の多くはフォームが原因ということはご存じと思いますが、変形性関節症の原因も、不適切な姿勢や歩行、習慣が因子となり、それによる関節へのストレスが原因で痛みが出て、痛いので筋力が落ちてさらに不安定性が増して関節軟骨がすり減り、ストレスのかかる部分の負荷軽減のために骨棘ができて変形が進むのです。
 だから、早期に姿勢や習慣を改めれば変形性関節症を防ぐことができます。そして、変形性関節症であっても、疼痛のコントロールができて筋力を回復して適切に動かせるようになれば、通常の日常生活を送ることが可能になります。それが、運動器リハビリテーションです。
<運動器リハビリテーションの主な対象疾患>
 膝前十字靭帯損傷、膝半月板損傷、人工関節置換術後、変形性関節症、大腿骨近位部骨折、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脊椎圧迫骨折、五十肩、腱板断裂、スポーツ障害、関節リウマチなど多岐にわたっており、介護予防にも貢献します。